Category: 業種別コスト削減事例 (page 2 of 2)

金融業界

2000円札

かつての花形産業

かつては花形産業として潤沢な資金で運用がされてきた金融機関ですが、現在では世界的な金融危機の影響から完全に脱却できないまま苦しい経営状況を続けています。

バブル崩壊後には、それまでは鉄壁の安定性であった日本国内の金融産業の大手が次々と瓦解していき、合併や再編が数多く起こりました。

他社との合併や吸収も多く見られましたが、同じ金融機関組織の中でも営業支店の統廃合や小規模店舗への移転といった細かい変革が全国で行われていくとともに、インターネットの普及に合わせた人員削減策も多くなされていくようになっています。

まず金融機関において最も広く行われているコスト削減策が、店舗再編の作業です。
かつては地方銀行の都市部への進出や、逆に都市銀行の地方進出が多く見られていましたが、中には採算の合わない店舗も多くありました。

そこでコスト削減の一旦としてそれぞれの支店や営業所での利用状況を調査するとともに、思い切った廃止や統廃合を行っていくようになったのです。

実際全国への支店や営業所の進出は計画的になされたものばかりではなく、あるエリアにだけ飛び石的に存在していたというようなこともよくありました。

IT化で成功

店舗統廃合・再編を推進する要素ともなったのが2つ目のコスト削減策である「IT化」です。
インターネットが一般家庭に普及したことにより、それまでになかったようなサービスが多く生まれたということは説明するまでもありませんが、中でも社会的大革命とも言えるほどに利便性が増したのがこの金融面でした。

今でこそ当たり前のようになっているコンビニエンスストアのATMやネットバンキングですが、それらはインターネット網の普及なしにはなし得ることのできないものでした。

銀行の支店はなくとも、コンビニのATMやネット接続環境さえあれば一般の人の金融機関の利用シーンのほとんどはできるようになってしまうので、再三の合わない支店や営業所は廃合しても問題がなくなりました。

ただしいくらコスト削減ができたとしても、金融機関という業務においては他の業界とは違った高いセキュリティのレベルが求められています。

これまでも何度か大手金融機関でATMやCDの不具合が起こったり、個人情報の漏洩が疑われる状況が伝えられてきましたが、多額の金銭が集まる金融機関においては全世界からのハッキングの脅威は常につきまとってきます。

今後はそうした利便性とセキュリティをどう両立させていくかということが、コスト削減策と合わせた問題となっていくことでしょう。

行政

国会議事堂

各方面からの批判が最も多い

コスト削減を最も喫緊の課題としているのは、なんといっても行政機関です。
「行政のムダ使い」という言葉を聞かない日はないのではないかというほど、国や地方自体の公的機関による税金の使用方法については各方面より批判を受けることになっています。

なぜそんなにも行政機関について厳しく言われることが多いのかというと、その根本には行政ならではの組織構造的な問題があります。

行政機関の問題点として言われていることに「縦割り行政」というものがあります。
縦割り行政とは、同じ自治体として存在しているはずの組織内において、自分たちが所属する部署のみだけで機能をすることにより本来省けるはずのものもムダに使われているという状態のことをいいます。

非常に極端な例で例えをするならば、例えばAという課で発注個数を間違えてボールペンが余りすぎていたとして、隣のBの課でボールペンが不足していたとします。

この場合となり同士で融通すればよいと思うところ、Aに割り付けられる予算とBの予算は別になっているので、例えAで余っていてもBには融通できないという考え方をします。

これが数十個の課が同時に行っていたとしたら、どれくらいのムダが出てしまうかということはすぐにわかるでしょう。
しかも現実にはボールペンのような安価なものではなく、それぞれの利権や組織的な規程によってぶつかり合うのでますます問題が面倒になっていきます。

問題の根本は根深い

行政のムダをなくすための方法として給与削減や人員配置の変更もよく言われていることですが、正直なところそうした細かい部分を多少改善しても実際に削減できるコストは微々たるものでしかありません。

根本的なコスト対策をするためにはまずこの各部署ごとの壁を取り払い、透明性のある行政組織にしていくことが大切になります。

しかし毎日のように縦割り行政の弊害が言われているにもかかわらず一向に改善の動きが感じられないのは、それだけ改革をするのが難しい分野であるということでもあるためです。

利権というと非常に聞こえは悪いですが、行政組織が担当する社会的分野は広範囲であるため、何かの施策を行おうとすると必ず利益が上がる分野と大きく損をする分野とが出てきます。

このとき各部の力関係によって施策が決定してしまうと、実際に市民に降りてくるときにはほぼ骨抜きになった役に立たないものになってしまうこともよくあります。

行政におけるコスト削減においては、 まずトップとなる部署がそれぞれの利権が優先されないようにきちんと陣頭指揮をとっていくとともに、内部で働く各人が目先のことだけにとらわれずに仕事をしていくという意識改革が最も重要になってきます。

運送業

貨物

物流業界は大きな岐路にいる

IT技術が発達してインターネット網が全国に普及したことによって、今物流業界は大きな岐路に立たされています。
すでに日本国内をめぐる高速道路や主要幹線道路はインフラとしてすっかり整えられてはいますが、まだ実際に物流の現場で勤務をするスタッフたちはそれらを完全に生かし切っているというわけではありません。

とはいえ、現在では離島を除く全国どこからの発送であっても1日以内、長くても2日以内には荷物が到着していなければおかしいと言われるくらい物流のスピード化が常識のようになっています。

昔ながらの方法に頼りきってしまっているようでは、そうした物流のスピード化に対応することができず他の運送業者との競争力を失ってしまいます。

政治的にも物流をスピード化することは今後グローバル化が加速する日本の国際的競争力を高めるために必要と、「物流総合効率化法」という法律を制定し、物流業界の規制を大幅に緩和することにより効率的な物流ができるようにするための施設整備を大規模に行っています。

また物流業界においては業務を効率化するだけでなく、環境負荷を低減させるための企業努力も同時に行わなくてはならないこととなっているので、業務を改善していくときには単に利益を優先的に考えるのではなく、排出するCO2の量も考えた設備整理をしていかなくてはいけません。

他の業界より実用的な対策が必要

とはいえ、国際情勢を見ると物流をするために不可欠な原油燃料が高騰していることや、世界的な不況の影響による物流量の全体的な減少により業界は相当に厳しい状況に立たされているということになります。

そのため物流業界やその関連企業は、他の業界よりも一層早くより実用的な対策をとっていかなくてはなりません。

業務改善の基本はまず無駄をなくすということですが、不要な会議やコストを削減し、より確実に物流がされていくようなしくみを整える必要があります。

一方で、急速に発展しているIT関連業の技術と大変に相性がよりのも物流業界です。
配送をするためには集配と配達の2つの作業が必要ですが、その選別作業をハンディ機や自動管理システムを使用することにより、人の目による細かい確認作業を省き自動的な配送準備をすることができるようになってきています。

ペーパーレス化や夜間電力を大幅に減らすことができるようになるので、コスト削減と時間の短縮、人件費の抑制と多岐にわたり業務を減らせます。
今後はデジタルカメラやネットバンキングなどIT機器を融合させた方法が広がっていくことでしょう。

製造業

製造

最も厳しい業界

業務改善を迫られる各種業界にあって、最も厳しい競争にさらされていると言えるのが製造業です。
製造業は戦後間もなくの頃は全国で広く行われていた産業でしたが、現在ではそのほとんどが海外に工場を移転してしまっており、そのための価格競争を強いられてしまっています。

かつては日本国内では中小企業というと、大企業ではできないような専門的な技術を持った企業が望まれたものですが、現在ではより安く同じ部品を供給できるような価格面での競争が主になってきています。

日本の基幹産業である自動車産業だけを見ても、一台の自動車を作るためには数千もの部品が必要となることから、約9000社にもおよぶ会社が下請けや孫請けとして存在しているといいます。

ですので、これからの日本の産業の発展を考えていくときには、製造業としてのコスト削減や業務改善が欠かせません。

中小企業においてこれからの業務改善計画で欠かせないのは、「製造原価の減少」と、「部品調達コストの削減」、それにそれらの「活動計画と実行の精査」となっています。
この中でも最も大切になってくるのが「製造原価の減少」です。

製造原価の計算

製造原価というと、あまり会計に詳しくない人からは、その部品を作るための材料費のことをさすように感じますが、実際はそんなに単純なものではありません。

例えネジ一本のような部品であっても、それを仕上げるためには材料を調達し、成分を調節し、機材を使用して形を整え、それを出荷できる状態にするというための作業が必要になってきます。

そのため、一つの部品を仕上げるために実質的にはいくらのコストがかかっているかということをしっかりと計算し、その上でどこに無駄があるかということを洗い出す業務改善が必要になってきます。

日本において製造業を営んでいるのはほとんどが中小企業であり、その内部では原価計算などの観念がほとんどないままに従来までのような個人のやる気に頼った経営がなされていることがほとんどです。

そのため、今後は例え中小企業であっても自社内の製造製品の部品に対してどのくらいの価格や時間がかかっているかということをしっかりと計算し、その上で原価からの経営戦略を立てていくことが求められています。

また、先ほど上記で述べたような「活動計画と実行の精査」として、製造工場における改善計画がうまく運用されているかという常態的なチェック機能を備えていくことも大切になってくることでしょう。

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