経費の聖域を作らない

経費削減をするときには、毎月使われる経費について「聖域」を作らないようにすることが大切です。
聖域とは経費削減をする以前からその使い道や費用対効果を論議することすら禁じられてきたような、長年に渡って自然に組み込まれるようになってしまった経費のことです。

具体例を挙げれば、何十年か前に付き合いなどで出した街頭広告や、社長が定期的に行なっている個人的な旅行経費を社用として落としているような場合などがあります。

看板や街頭広告の場合、例えばその看板の存在が既に町のシンボル的な位置となっていて、そこから広告を下ろしてしまうことで営業に影響が出てしまうような場合には、撤去=経費削減とは言えないでしょう。

大切なのは、長年使われてきた経費をすべて否定するのではなく、実際の費用対効果として間接的にでも売上に貢献しているかという冷静な判断を行うことです。

費用の切り捨ては慎重かつ冷静に

ただし、費用対効果ばかりを気にして効率が悪いものを一概に切り捨てればよいわけではありません。
例えば最近開始したばかりの新規事業があったような場合、商売が軌道に乗って一定の利益を出してくれるようになるまでには長い時間がかかることもあります。

せっかく芽が出始めた新規事業を、他の業務と比較して効率が悪いからとばっさり切り捨ててしまっては、事業そのものが先細りしてしまい長期的には利幅が小さくなっていってしまいます。

かといって、先に売上の上昇が見込めないような新規事業を「これまでかけた金額がもったいないから」といつまでも続けているのも無駄に経費だけがかさむだけで社内利益にはつながりません。

どこで線引をするかの判断はやはりトップの考えによりますので一概には言えませんが、その時にはできるだけ冷静に総合的な判断をするようにしなくてはいけないでしょう。

費用対効果でみるなら、その事業や広告に投資をした時期と現在との効果との時間軸にもきちんと目を配ることも必要です。
投資をした時期には正しい判断であったとしても、時代が変わった現在においてはその投資や維持費用が正しいものではなくなってしまっていることもあります。

何十年前かに購入をして当時は良く使っていたが、最近ではほとんど動かす機会がなくなった機材の保守費用や、かつては多額の取引をしていたが現在では社内の担当者も入れ替わり惰性で続けている取引といったようなものです。

経費をかけ続けることで生まれる利益は、その経費を上回る利益であるものなのか、聖域のない細かい検証をしていきましょう。