細かな提案をしてくれるコンサルタントはごく一部

経費削減を効果的に進めるためには、一面的な効果だけでなく企業組織全体に与える影響を考えて行わなくてはいけません。
よくあるのが、やり手の経営コンサルタントを都内などから招へいして、企業内部の文化や人間関係などを無視して資金面のみに着目した経費削減を行うといった方法です。

もちろん一流と呼ばれる経営コンサルタントさんの中には、社内の文化や地域コミュニティとの関連、これまでの企業沿革に留意しながら経費削減策を打ち出してくれるような人もいますが、そこまで細かく気を遣って提案をできる人というのは本当にごくわずかです。

経営コンサルタントに依頼しないまでも、組織改革を焦るあまり有名経営者のセミナーや勉強家に参加をした知識のみで経営戦略を立てようとする若手経営者の方もいます。

企業内部の運営改善を行うためには、知識だけでなくそこで働く人や組織同士の関係を視野にいれて考えていくようにしましょう。

よくない影響を与えたエピソード

実際にあった例として、一面的な経費削減策をやってしまったことで、企業内部によくない影響を与えたエピソードを説明をします。

とある地方にあった中堅製造業では、大手企業の海外工場進出の影響もあり、業績に悪化に悩んでいました。
しかし昔ながらの企業であったので、単純に経営状況が悪くなってきたからといってすぐに人員をカットすることはせず、人あまりの状態となりながらもほそぼそと営業をしてきました。

そんなとき、製造部から現在使用している機械の故障頻度が高まり、能力も陳腐化してきたことから新しい機器への買い直しをしてほしいという要望が上がってきました。

確かに使用中の機器はかなり古くなっており、調べてみたところ新しい機械に買い直せば作業効率は大幅にアップする上に、新たな機能がたくさんつくことがわかりました。

そこで、製造部の責任者がどうしても新しい機器を購入したいと取締役会の議題に上げてきました。

しかし考えてみれば既に製造部では人あまりが続いているのに、そこでより人員が少なくても同じ作業ができる機械を入れたら、ますます個人の仕事がなくなってしまいます。

また、仕事受注量全体が下降しているのに、より生産性の高い機器を入れることにメリットがあるとは思えません。
結果、それを導入することで企業全体が得られる利益はなく、むしろ総合的にはマイナスになることがわかり案はボツとなりました。

経費削減の目的は、あくまでも平常時の余剰経費を減らすことにあります。
それを忘れては適切な対策をとることはできません。